この紙、どう加工したらいい? 紙の加工方法に迷ったとき、まず考えたいこと
「この紙を、こういう形にしたいんですけど……できますか?」
紙の加工についてのお問い合わせでは、こんなところからお話が始まることがあります。
「何という加工方法なのか分からないんですけど……」
と、少し申し訳なさそうにお話しされる方もいます。
でも、そんなに気にしなくても大丈夫です。
むしろ私たちは、そういうご相談、けっこう好きだったりします。
なぜなら、「こういうものを作りたい」というお話を聞きながら、どうしたら形にできるかを一緒に考えることができるからです。
私も紙屋に入る前は、紙の加工なんて「切る」「貼る」くらいしか思い浮かびませんでした。
ところが、実際に仕事をしてみると、これがなかなか奥が深い。
例えば、「紙を切りたい」というご相談一つでも、実はいろいろ考えることがあります。
まっすぐ四角く切りたいのか。
丸や星など、決まった形にしたいのか。
細かい模様まで切り抜きたいのか。
そして、1枚だけ必要なのか、何百枚も必要なのか。
紙の種類や厚さによっても、向いている加工方法が変わってきます。
「花の形に切りたいんです」
例えば、こんなご相談があったとします。
「紙を花の形に切りたいんです」
さて、どうしましょう?
まず思いつくのは、型抜き加工です。
型抜きは、作りたい形に合わせた「型」を作り、その型を使って紙を抜いていく加工です。
同じ形をたくさん作りたい場合には、とても頼りになる方法です。
でも、もし「まずは10枚だけ作ってみたい」ということだったら?
わざわざ型を作るより、別の方法が向いているかもしれません。
そんなときに候補になるのが、プロッターカットやレーザーカットです。
プロッターカットは、データに沿って刃物を動かし、紙を切っていきます。
少量の試作や、型を作るほどではない数量の加工などに向いています。
レーザーカットも、データに沿って加工する方法の一つ。
細かい模様や複雑な形を作るときには、とても便利です。
ただし、紙の種類や厚さによっては、焦げやススが出ることもあります。
つまり、
「花の形だから型抜き!」
と、最初から決められるわけではないんですね。
必要な数量や紙の種類、デザイン、仕上がり、そして何に使うのか。
そういうことを一つずつ考えて、加工方法を選んでいきます。
実は「安くする方法」が変わることもあります
以前、厚紙を3つのパーツに切りたい、というご相談がありました。
最初はプロッターカットを検討されていたそうです。
でも、お話を伺ってみると、必要な数量や形などの条件から、抜型を作って型抜きしたほうがリーズナブルになるケースでした。
「切ってください」と言われたものを、ただ切る。
それだけだったら、話はもっと簡単です。
でも、せっかくご相談いただいたのなら、
「この方法より、こちらのほうが合っているかもしれません」
とお伝えしたい。
加工方法によって、仕上がりだけでなく、費用や納期も変わってくることがあります。
だからこそ、私たちは「何を作りたいのか」をできるだけお聞きするようにしています。
「加工方法が分からないんですが……」でも大丈夫です
紙の加工を調べていると、
「断裁」
「型抜き」
「合紙」
「裏打ち」
「レーザーカット」
……と、知らない言葉がたくさん出てきます。
調べれば調べるほど、
「結局、私はどれを頼めばいいの?」
となってしまうこともありますよね。
でも、最初から加工方法を決めておく必要はありません。
「この紙を、こんな形にしたい」
「こういうものを作りたい」
というところからでも大丈夫です。
例えば、以前には神社で使われる「形代」という、人の形をした紙の加工をご相談いただいたこともありました。
「こういうものを作りたい」というお話から始まり、実際の形にしていく。
紙屋ですが、紙を売るだけではなく、紙を使って「こんなものを作りたい」というご相談にお付き合いするのも、私たちの仕事の一つだと思っています。
紙の加工は、意外と自由です
紙屋で仕事をしていると、
「紙って、こんなことまでできるんだ」
と思うことがあります。
そして、お客様からすると、
「紙の加工って、こんなことまで相談できるんだ」
ということなのかもしれません。
もちろん、紙なら何でもできる、というわけではありません。
紙の種類や厚さ、形、数量、用途によって、できることや向いている方法は変わります。
だからこそ、
「できますか?」
と聞いていただくところからでいいと思っています。
「この紙を切りたい」
「この形にしたい」
「まだ何も決まっていないけど、こんなものを作りたい」
でも、大丈夫。
加工方法が分からなくても、まずは作りたいものを教えてください。
一緒に考えてみると、思っていたのとは違う方法が見つかるかもしれません。
「こんなこと、できますか?」
という一言から始まるご相談、けっこう好きです。
(S)
「こんな紙を、こんな形にしたい」など、加工方法が決まっていなくても大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
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