合紙屋さんに行ってきました

半月ほど前になりますが、合紙(ごうし)屋さんへ見学に行ってきました。

合紙というのは紙を貼り合わせる加工のことです。

この加工を施すことにとよって、既存品にはない厚さの紙を作ったり、色や質感の違う紙を合紙すれば、好みのリバーシブルの紙を作ったりできます。

以前に紙博で見かけた合紙された紙は、3~4色の紙が3mmくらいの厚みまで貼り合わせてあり、きれいに切った断面に色の積層が見えていてとてもキレイでした。このように2枚の貼り合わせだけでなく、3枚以上を貼り合わせることも可能です。

気づいていなかっただけで、贈答用のお菓子の箱など、身の回りに合紙してある紙は多いんだなぁ~とこの仕事に就いてから思ったものです。

 

さて今回合紙屋さんにお邪魔したのは、お願いしているお仕事の立会いだったのですが、工場見学はいくつになっても楽しいものです。

今回は薄物(うすもの)同士(ちょっと厚めのコピー用紙程度の厚み)で全判(1091mmX788mm)の合紙でしたが、この薄物同士が曲者です。なぜなら薄い紙は糊を付けたそばから、紙が糊の水分を吸って反ってしまうのです。10秒かそこらの本当にあっという間の出来事で、みるみる紙の四隅がめくり上がってしまうのです。めくれあがってしまったら、もう上手くは貼れません。そうなってしまう前に、貼り合わせる紙同士の位置合わせが肝なのです。ですが、全判の貼り合わせなので、紙が大きくて扱いにくいのです。

ローラーで運ばれてくる糊の付いた全判の紙(1091mm X 788mm)が職人さんの目の前にまで来たら、すかさずその上に貼り合わせる紙を糊の付いた紙の角と合わせて置き、貼り合わせます。

糊の付いた紙が手元に来てから位置を合わせて貼るまでがわずか2秒間程度の出来事です。その後熱く熱したローラーへ貼り合わせた紙を通して、糊を乾かしながら紙面を整えて出来上がりです。

そんな難しい薄物・全判の貼り合わせですが、職人さんがよどみのない滑らかな動作で、次々と貼り合わせていくので、見ているといつも見とれてしまいます。

 

このように難しい合紙も可能にしてくれる職人さんがいます。合紙をご検討されている方がいらっしゃいましたら、思い通りの紙を作ってみませんか。まずは試作もできますから、チャレンジしてはいかがでしょうか。

ぜひお問い合わせください。

この写真は記事の日とは別の日に撮ったものです。

右手奥の糊付けローラーから流れてきた糊のついた紙をひらっと翻しながら、下に置いてある紙との位置合わせをしながら貼ります。

貼ったらローラーにかけて、糊を乾かします。