加工事例~小さな紙の合紙(ごうし)~

紙を貼り合わせる加工を「合紙(ごうし)」と言います。

厚紙を合紙することでもっと厚い紙を作ったりできますし、色・質感の違う紙を合紙すれば、好みのリバーシブルな紙も作ることができます。

このように既存品にはない好み・用途に合った紙を作っていただける加工の一つです。2枚の合紙だけでなく、3枚以上など複数枚も貼り合わせることが出来ます。

通常は裁断前の大きな紙(1091mm X788mmなど)を貼り合わせるのですが、先日ご連絡いただいたご依頼は、それより小さく切った紙へ、別の紙の合紙をしたいとのことでした。

 

お話を聞くと、すでに製品サイズ(506mm X 208mm)にカットしてある紙の裏面に別の紙を貼りたいとの事です。

合紙は貼り合わせる際に紙の重なりが多少ずれるのですが、後加工する際に周囲のフチを裁断で落としてしまうので、通常は問題になりません。ですが、今回のご依頼では製品サイズに裁断済みの紙に別の紙を貼るというもの。同じ大きさの紙を貼るとフチの乱れがそのまま完成の姿になってしまうため、周囲1cm大きい紙を貼り、ご納品後にお客様自らはみ出した部分をカットしてくださることでご了承をいただきました。

通常ではないサイズの合紙に、職人さんも「なんとかやってみる!」とチャレンジしてくださり、無事完成させることが出来ました。

 

【加工内容】

ご支給紙:NTラシャ スノーホワイト 130㎏ 506mm X 208mm 印刷入り 20枚

ご購入紙:タント L-71 70㎏ 全判1091mm X 788mm 4枚を→526mm X 228mmに裁断。

 ※加工予備分込みで、ご支給のNTラシャと、裁断したタントをそれぞれ20枚づつ使用しました。

仕上り合紙枚数:10枚

仕上りのイメージ

※実際はこの紙を合紙しました。(「タント」は特種東海製紙株式会社様の登録商標です。)

白いNTラシャの裏からチラリと覗く淡い藤色。爽やかな組み合わせですね!

お品物をお受け取りいただいたお客様から、とても嬉しいご感想をいただきました。

ありがとうございます!!

 

先ほど品物が到着いたしました。

とても綺麗につくっていただき感謝しております。

また不良品についても大変勉強になりました。同梱してくださりありがとうございます。

 やや特殊な依頼だったかと思いますが、丁寧にご対応いただけて嬉しかったです。

この度は本当にありがとうございました。

機会がありましたら、またぜひお願いいたします。

 

 

今回の加工は加工所でも初めての加工だったので、加工予備分を多く用意しました。

慣れない大きさの紙に、やはり職人さんもそれなりに苦労されたようです。そんな職人さんの試行錯誤の証である、“皺のよってしまった失敗品”も、今回は完成品と一緒にお客様にお送りし、ご覧いただいたご感想が、その“不良品”です。

どんな加工にも加工予備と言われる、加工の際に必要な“余分“が必要になりますが、加工の種類や数量などによって違ってきます。今回のように材料をご支給いただく際はご相談させていただくかと思いますので、加工をご検討の方は、加工予備として材料が余分に必要になりますことをご留意いただけたらと存じます。

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